映画「サヨナライツカ」、あなたは死ぬ時に愛されたことを思い出しますか?それとも愛したことを思い出しますか?
映画「サヨナライツカ」
こんにちは。「kokoroとkaradaを幸せに」かなです。
辻仁成さんのの恋愛小説、「サヨナライツカ」を読んだことがありますか?
心から人を愛することの幸せ、そして、生きている証であると感じられる、私の好きな小説の1つです。
この小説を映画化した「サヨナライツカ」を8年ぶりに観ました。
生活の中で愛情という感情は、大きな割合を占めるのではないでしょうか?
愛されることを求めるのではなく、全力で愛したことを誇りに思って死にたい。
タイのエキゾチックな風景とともに、いわゆる不倫だけど、本当は純粋な恋愛ではないけど、人を愛する複雑な気持ちを描き出しているこの映画、おすすめです。
あらすじ
1975年、灼熱のバンコク。
金・美貌・愛に不自由なく暮らし、“愛されること”を求め生きてきた沓子は、ある日、夢に向かって真っすぐ生きるエリートビジネスマン・豊と出逢う。
ふたりはたちまち魅かれ合い、熱帯の夜に溺れていく。
しかし、豊は結婚を目前に控え、日本に婚約者がいた。
期限ある恋、かなわぬ恋だとしても、自分は彼を愛し続ける…。
沓子は、愛することこそが本当の愛だと気付いてしまった。
そしてふたりは25年後のバンコクで、運命の再会をするが――。
不倫相手である沓子と正式な婚約者である光子が出会うシーンが印象的
どこで、どう調べたのか分からないし、遠くにいてもわかる女の勘というものなのか、婚約者である光子はタイを訪れ、沓子に会いに行きます。
光子はやましいことは一つもなく、正式な婚約者であり、身なりも品があり美しい。
それに対して沓子は浮気相手であり、身なりや着こなしが派手でだらしない印象。
女性はこういう「見た目」で勝手に勝敗を決める部分があるので、非常にリアル。
そして、光子は豊を心から愛している自信と、愛されるべきという自信からか、取り乱すことなく沓子に冷静に
「豊さんがあなたに “愛してる” と言ったこと1度でもありますか?」
と尋ね、
「来週の日曜日までに豊さんの前から姿を消してください。」
と告げます。
凛とした光子の姿に、愛しているという自信と、強い力を感じました。
光子の詩「サヨナライツカ」
最後に光子が豊かに贈った詩を紹介します。
この物語の全てを凝縮していて、愛について深く考えさせられます。
ゆっくりじっくり自分の心に問いかけてみてください。
いつも人はさよならを用意して生きなければならない。
孤独は最も裏切ることのない友人の1人だと思う方が良い。
愛に怯える前に、傘を買っておく必要がある。
どんなに愛されても、幸福を信じてはならない。
どんなに愛しても、決して愛し過ぎてはならない。
愛なんか季節のようなもの。
ただ巡って人生を彩り、飽きさせないだけのもの。
愛なんて口にした瞬間、消えてしまう氷のかけら。
サヨナライツカ
永遠の幸福なんてないように、永遠の不幸もない。
いつかさよならがやってきて、いつかこんにちはがやってくる。
人間は死ぬ時愛されたことを思い出す人と、愛したことを思い出す人に分かれる。
私はきっと愛したことを思い出す。
私も愛したことを思い出したい。
最後までお付き合いありがとうございます。