kokoroとkaradaを幸せに

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本「マチネの終わりに」大人の恋愛は切ない、本当の幸せを掴むための選択

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本「マチネの終わりに」

こんにちは。「kokoroとkaradaを幸せに」かなです。

 

今日は「マチネの終わりに」という本を紹介します。

こちらの小説を原作とする映画が2019年秋に公開されます。

監督は『ガリレオ』シリーズの西谷弘、主演は福山雅治石田ゆり子となっています。

 

本の中の登場人物と、ぴったり合う配役だなと感じます。

切なすぎて、最後は涙がにじむこの小説がどのように映像化されるのか楽しみです。

 

少しネタバレがありますが、ご了承ください。

 

 

 

あらすじ

 

マチネの終わりに

マチネの終わりに

 

 

物語は、クラッシックギタリストの蒔野と、海外の通信社に勤務する洋子の出会いから始まります。

初めて出会った時から、強く惹かれ合っていた二人。

しかし、洋子には婚約者がいました。

やがて、蒔野と洋子の間にすれ違いが生じ、ついに二人の関係は途絶えてしまいます。

互いへの愛を断ち切れぬまま、別々の道を歩む二人の運命が再び交わる日がくるのか ・・・

 

 

切ない大人の恋愛

学生の頃のように、「好きだ」という気持ちだけで走り続けるような恋愛は大人になったら成り立たない。

年齢を重ねれば「結婚」という言葉がお互いに意識されるようになり、お互いの人生の方向を決めなくてはいけなかったりします。

 

小説の中でも、相手のことを心から愛しているという気持ちだけでは前に進めない場面がいくつか出てきます。

 

例えば、子供のこと。

洋子は、自分が蒔野へ近づきまた会ってしまったら、気持ちは止められないし、今の蒔野の家族を壊してしまうことを気にして、会いにいけません。

洋子自身が、父親と一緒に過ごすことなく子供時代を過ごし、寂しい想いをしているので子供から親を奪うことは、最もしてはいけないことだと思っているのです。

 

子供には何も罪はない・・・。

 

どんなに愛していても諦めなくてはいけない。

子供が一番幸せにいることができることを優先するのです。

 

 

もう一つの出来事。

蒔野の音楽活動を自分が支えられるのか、力になれるのか。

仕事の視点で考えたときにも、自分が支えるよりも、ふさわしい人がいると、蒔野のマネジャーをしていた三谷に蒔野を譲ります。

 

三谷も蒔野を愛していました。

そんな三谷は偽のメールを送るという絶対にやってはいけないことを行い、蒔野と洋子の関係を終わらせ、後に自分が蒔野と結婚して子供を設けます。

 

蒔野のコンサートを聴きにきた洋子に三谷(この頃には蒔野の妻になっていました)が言った言葉が印象的でした。

 

たとえそれが、人として間違っているとしても、正しく生きることが、私の人生の目的じゃないんです。

私の人生の目的は、夫なんです!

・・・だからお願いします。

もう彼の人生に関わらないでください。

 

絶対に許せないことですが、洋子は蒔野を心から愛しているからこそ、その全てを受け入れて去っていくのです。

 

 

大人の恋愛は簡単にはいかないのです。

様々な要因が絡み合って、好きとか嫌いとかそんな簡単な感情ではどうにも動けない深い深い心情があるのです。

 

ただただ、切ない。

いろんなことが複雑に絡み合いながら、自分の人生を、見つけていく。

そして、そこに自分で納得感を添える。

 

自分は彼を愛しているが故に、彼との愛を断念できるのではあるまいか。それもまた、年齢的な変化なのだろうか?

それとももともと、愛とは違った何かだったのだろうか?

 

 

未来は過去を変える

何度か「未来は過去を変える」ということが本の中で出てきます。

心から愛する人に会ったが故に、過去の出来事への意味づけも変わってしまうのです。

非常に印象的でした。

 

人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。

だけど、実際は、未来は常に過去を変えているんです。

変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。

過去は、それくらい繊細で感じやすいものじゃないですか?

今ある思い出したくない過去も、素晴らしい出来事であった過去も、これからの未来によっては、まるで違った過去になってしまうこともあります。

過去は絶対に変えることができないから、全部受け止めて、新しい未来のために考えや心を向けることが好きでしたが、この小説を読んでからは、過去は変わってしまうのだと強く思うようになりました。

 

過去を変えてしまう未来もある。

過去を変えるための未来もある。

人生は、何が起きるかわからない、だから、毎日の積み重ねが大切なのかな。

 

 

人を愛するということ「マチネの終わりに」まとめ

どの本に書いてあったのか、漫画だったのか、雑誌だったのか覚えていないのですが、私の好きな恋愛に対する文章があります。

大事なのは結果に固執することではなく「私がどれだけ楽しい時間、特別な時間を味わうことができたか」なのだ。

人を愛することって、ものすごいエネルギーを感じることができること。

どうなったのかという結果が大事なのではなく、その過程の全てが人生の輝きになるのかなと思います。

 

 

文章は少し難しくて、前半は物語に引き込まれるというところまではいきませんが、じっくり読んでいると後半は、あっという間に読み終えてしまうほど、物語に惹きつけられます。

 

男性にも女性にも、これから素晴らしい恋愛を期待する人にも、恋愛はもうおしまいな結婚後の人にも、そして、過去の恋愛が忘れられない人にもオススメの1冊です。

 

深い深い感情の波にゆらゆら揺られながらも、切なさに飲み込まれそうな読後感にしばらくは1人余韻に浸りたくなります。

 

是非、この大人の切ない恋愛の世界を読んでみてください。

 

 

最後までお付き合いありがとうございます。