ダイエット漢方の選び方〜防風通聖散、大柴胡湯、防已黄耆湯〜
ダイエット漢方の選び方
こんにちは。「kokoroとkaradaを幸せに」かなです。
気温が上がってくると、ダイエットへの意識が高くてなってきますね。
薄着になれば、今まで洋服で隠れていた贅肉が「あらら」と顔を出します。
そこで、薬剤師の立場からダイエット漢方についてお伝えします。
防風通聖散
まず、よくTVCMやドラッグストアの店頭でも複数メーカーの商品が並んでいる『防風通聖散』です。
こちらの漢方薬の特徴
①人間の3つの排泄経路を使って余分なものを出す
- 尿
- 便
- 汗
②食欲を抑える(漢方では胃の熱をとるといいます)
お!痩せそう!
と感じませんか?
しかし、この漢方はダイエットしたい人が、誰でも服用できるわけではないのです。
効能効果にこのような一文があります。
体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症
この「体力充実して」と「便秘」がポイントです!
ここで少し漢方薬の処方を選ぶときのお話をします。
漢方薬は出ている症状が、何に起因しているのか考えます。
- 冷えてるか?
- 熱を持っているか?
- 外からよくないもの(邪)が入ってきたか?
- 何かが足りない?(虚)
- 体の構成成分の何に影響が出てる?(気・血・津液・精)
- どこの部分に不調が出てる?(五臓六腑)
など、様々な視点から症状を診ていきます。
そして、症状を推測して(弁証)漢方薬を選定します(論治)
この防風通聖散の作用は、体の熱をとるので、まず体が冷えている人は飲んではいけません。
そして、強力な瀉下作用があるので、軟便気味・下痢の人も飲んではいけません。
「体力が充実している」とあるように、漢方でいう虚証(何かが足りていない)の人も飲んではいけないのです。
例えば、疲れやすい人。
疲れやすいという人はエネルギー源になる「気」が足りません。
そこに3つの排泄経路を使って余分なものを出していくと、虚の人は必要なものまで奪われてしまいます。
実は、私はこの防風通聖散を飲むのに適した体質ではないですが、実験的に飲んでみたことがあります。
注意:体質に合わない漢方は副作用が出ますので、絶対に真似しないでください!
冷え性&疲れやすい体質の私が防風通聖散を飲み始めて5日目、風邪をひきました。
体が冷え、体力を奪われたのです。
ちなみに、痩せませんでした。
このように、ダイエットの代表漢方になっている防風通聖散ですが、誰でも飲める薬ではないことを知って欲しいのです。
そして、長期服用する漢方薬でもないので、ダラダラと飲み続けてはいけません。
大柴胡湯
次に大柴胡湯ですが、基本的には防風通聖散と同じタイプの人が飲むことができます。
1つ大きく違うことは、ストレスによって太る人にオススメであるということです。
大柴胡湯の構成生薬の1つである、「柴胡」がストレスの緩和に効果があります(漢方用語で疎肝解欝といいます)
ストレスによってやけに食いしてしまったり、体重の増減の激しい人におすすめです。
防已黄耆湯
次に防已黄耆湯ですが、簡単にいうとむくみやすい人、防風通聖散が飲めない人です。
こちらの漢方の特徴は、
①水の滞りを改善(利水)
そんなに食べていないのに太る、水太り(むくみ)の人におすすめです。
また、疲れやすい人、体が重だるい人にもおすすめ!
利水作用で体の余分な水分を排泄してむくみや体の重だるさを改善します。
体の中に水分が滞ると体は重くなります。
梅雨の時期に体がだるく感じるのも、湿度が上がることで体の余分な水分の発散がうまくいかないことにあります。
脾(食べたものをエネルギーに変える役目や水の運搬に関わる)を整え、気(エネルギー源)を補うことで、食べたものを効率よくエネルギーに変えることができるので、基礎代謝が上がり、疲れにくくなります。
余分な水分が抜け、疲れにくくなることで、たくさん動けるようになり痩せるという効果もあると感じています。
私はこの体質にぴったり合います。
水分代謝が悪くむくみやすく、体が重だるくなります。
そして水分の滞りが悪化するとめまいになったりもします。
最近、ちょっと体に締まりがなくなったなぁとか、だるい!と感じると飲んだりします。
また、防風通聖散と違い、こちらは長く飲み続けても問題ありません。
もちろん効果を感じることができていればという条件付きですが。
3つの漢方薬を紹介しましたが、様々な要因で人は太りますので、この3
つの中から選ぶことが必ずしもベストではありませんので、漢方に詳しい薬剤師や医師に相談してみてください。
漢方は体質にぴったり合うと、非常によく効きます。
これから漢方薬もブログで少しずつ紹介していこうと思います!
最後までお付き合いありがとうございます。